大切な家族を守り、自然素材のやさしい家をつくりたい。
その想いの答えが、日本の伝統建築である「板倉構法」にありました。
自然の木材は湿気の多いときは水分を吸収し、逆に湿気の少ないときは水分を放出する性質があります。板倉構法では、家の骨組みだけでなく、壁・床・屋根を天然木で組みあげていくので、いわば家全体が常に呼吸している(=生きている)状態になります。
日本の四季に順応した国産天然杉の性質に加えて、空気や熱が循環する構造によって、温度・湿度が安定するので、エアコンに依存することなく、結露やカビの心配もない快適な暮らしを実現できます。
コンサートホールに多くの木が使われているように、天然木には人間の耳にとって違和感のある高周波域の音を吸収する特性があります。板倉構法の家は外部の遮音性も高く、心地のいい生活音のなかで、ストレスのない毎日を過ごせます。さらに天然木の床は、化学物質が含まれた合板のフローリングのようにベタベタすることなく、素足でも気持ちがいいです。ほのかな自然の木の香りが自律神経をリラックスさせて、安眠効果があるとも言われています。
板倉構法では、柱の側面に溝を彫って、板を落とし込み、そこに縦の木を重ねた2枚張りの壁が基本です。そのため大地震や強風でも高い剛性を発揮して、力の加わるポイントを分散し、柔らかな材質やしなやかな構造から、倒壊をまぬがれる粘り強さもあります。
太くて厚い天然木は火災にも強く、延焼のスピードや範囲を抑え、有毒ガスも発生させません。国土交通省からも準防火地域への建築を許された、高い防火性能を誇っています。
丸太からそのまま切り出した天然の厚板は自然乾燥を経て、くるいのない木材を用います。
伝統的な継手・仕口などを用いて木を組み、堅牢な構造をつくります。
柱を立てた間に厚板を落とし込んで壁をつくります。現場で板を一枚ずつはめ込む方法と、あらかじめ工場でパネル化したものを建て込む方法があります。
屋根と床にも、壁と同じ厚板を張ります。